【要約】スマホ脳 〜スマホ中毒の危険性と脱却方法〜

あなたはスマホに依存していませんか?現代人の多くがスマホ依存に悩んでいます。

そんなあなたに最適の一冊です。

スマホというテクノロジーが、人間を2.0バージョンにするよりも、むしろ0.5バージョンにしてしまうのだ。

スマホ脳 P239 

スマホは依存するように設計されています。

スマホは私たちの脳に報酬を与えるように設計されており、これが依存を引き起こします。例えば、通知が来るとドーパミンが放出され、快感を感じるため、ついスマホを見てしまうのです。

今回のおすすめ書籍
スマホ脳

アンデシュ・ハンセン[著] 久山葉子 [訳]

人類とスマートフォン

人類の脳はスマホに適応していない。

類史の99%は狩猟生活であり、現代のように安全で無制限にカロリーが取れたり、スマートフォンで世界中の情報を得る環境に脳は最適化されていません。

平均寿命は30歳、 10歳までに半数が亡くなり、15~20%は他の人間に殺されていた。

ストレスの根本は「闘争か逃走」

周囲の危険に常に目を配り、小さなことでも「警報」を鳴らすこと。

「火災報知器の原則」と呼ばれ、鳴らないよりは大したことがないことでも鳴ったほうがいい

生き残るためには強いだけでなく、 警戒し、危険を回避する能力が必要だった。
(警戒心が少なければ 外敵にやられる可能性が高く、子孫を残せない)

強いストレスにさらされると「闘争か逃走か」の2択の選択しかできなくなる。

ライオンに遭遇したら、心拍数を上げ「攻撃に出るか」「逃走するか」しか選択肢がないから。

適度なストレスはむしろ健康に良い

全くストレスが無いと 人間はダメになる。

HPA系(ストレス)のスイッチを切った動物実験では、無気力になり餌を食べなく成った個体もあった。
(注:HPA系とは、ストレスに対する体の反応を調整するホルモンのシステムのこと。)

スマホは私たちの最新のドラッグ

スマホの通知が来たら スマホを見たくなるのはドーパミンのせい。

ドーパミンは報酬物質として、食事や他人との付き合い、性行為などを増やします。

脳は新しいものが大好き

私たちの祖先は食糧や資源が乏しい環境で生活していたので、 「新しい場所に行ってみたい」というような欲求があった。

好奇心のある人間の方が、食糧を求めて行動することができ、生き残る可能性が高かった。

スマホは次々に新しい情報を見せるが、これも脳の知的欲求をハッキングしている。

シリコンバレーの罪悪感

スマホやIT技術の聖地シリコンバレーでは、「ドラッグ」を生み出した多くの天才が今では後悔しています。

・フェイスブックの「いいね機能」を開発した人物は、 その開発を後悔している。
・アップル社の幹部トニー・ファデル「冷や汗をびっしょりかいて目を覚す。僕たちは なんてものを作ってしまったんだと」
・スティーブ・ジョブスは自分の子供に与えるスマホは厳しく時間制限している。
・ビル ゲイツも子供が14歳になるまでスマホを与えなかった。
・フェイスブック元副社長チャリス・パリハピティヤ「私たちが作り出したのは、短絡的なドーパミンを原動力にした、
永遠に続くフィードバックのループだ。それが既存社会の機能を壊してしまった」

シリコンバレーの後悔

スマホは使えばもちろん、側にあるだけでも集中力を阻害する

ポケットにあるスマホの魔力を脳は察知し、「スマホを無視する」ということに脳の集中力の一部が使われます。

1日に何百回もドーパミンを少しつづだしてくれるスマホを無視するのは容易ではない。

スマホは記憶の「固定化」(長期記憶の形成)を阻害する。

スマホにより 様々な「新しい情報」が脳に入ることで、脳は集中できなくなる。

ブルーライトの影響

ブルーライトは体を目覚めさせ(メラトニンとコルチゾール)、行動に出る大勢を整え(コルチゾール)、エネルギー貯蔵庫を満タンにして脂肪を蓄える(グレリン)に長けている。

要は 寝れなくなり、ストレスが溜まり、腹が減る

うつはなぜ人との関わりを避けたくなるのか

長期間長いストレスを受けた脳は、その人の気持ちを落ち込ませる。

危険がいっぱいだと解釈した世界から逃げるため、精神状態が悪くなり他人と距離を取る。

SNSを通じて常に周りと比較することが自信を失わせる。

ネットは広く、どの分野でも絶対に「自分より優れた」人がいる。

自制が効かない10代にスマホを持たせてはいけない

スマホをしたいという衝動を自制する前頭葉は 25歳〜30歳になるまで完全には発達しない。

10代は衝動を抑えることができず、スマホ中毒がより加速する。

運動の効果

運動すると衝動を抑えやすくなる。

私たちの先祖はよく体を動かしていた。

狩をしたり自分がおわている時は最大限の集中力が必要だ。

脳の大部分はサバンナでの日々から変わっていないから、体を動かすことで集中力を高めることができる。

あらゆる種類の運動が知能によい効果を与える。 散歩、ヨガ、ランニング、筋トレ

週に2時間の運動でも効果あり。

所感

スマホの影響を生理学的な面と精神的な面で分析し、 様々な研究結果をもとに言及されている。

スマホ中毒者は増える一方だが、 その悪影響の研究は追いついておらず、 未知の領域となっている。

私はスマホ中毒社会が必ず悪い影響をもたらすと思っていたが、 持論を確信させる説得力のある書籍でした。

スマホ中毒を治したい、 なんとなくスマホの悪影響を感じている、 という方におすすめ。

それでもスマホを使う場合のアドバイス

スマホの表示をモノクロ(グレースケール)に
色のない画面のほうがドーパミンの放出量が少なくなり、気が散りにくい。
→ めちゃくちゃ効果あり。 読書も集中できるし、スマホが「一気につまらない」ものに。

SNS中毒にも効果あり。 (モノクロのインスタは見るに耐えない)

読書よりスマホが気になるのは、 スマホが読書よりも簡単にドーパミンを与えるからである。

スマホを「つまらないもの」に変えることで 他のことに集中しやすくなる。

近い将来、酒やタバコと同様に 「スマホ」の規制が必要になるかもしれない。

読書の効果

本書の他にも類似テーマの「ドーパミン中毒(アンナ・レンブケ著)」なども読み込むことで、スマホ依存への対処を確信を持って行うことができた。

今までは布団に入ってからtiktokやインスタグラムを延々と眺めて気づけば、夜中の2時・・なんていうこともありました。

そして「眠らないと!」と思って目を瞑っても5分後にはスマホをいじってしまう。

そんな私でしたが、 3ヶ月ほどのリハビリ期間を得てスマホ中毒をある程度克服しました。

  1. 常にスマホをグレースケール(モノクロ表示)にする
  2. 運動不足解消のためにジムに通う
  3. SNSは原則パソコンでチェックするようにする
  4. 全てのSNSアプリをスマホからアンインストール
    (Tiktok / YouTube ショーツ / Twitter / インスタグラム / Facebook) 
  5. 就寝時間を定めて、スマホを引き出しにしまい、眠くなるまで読書する

SNSをいじっているという「無駄な時間」をなくすことで生産的で健康的な生活を取り戻せたような気がします。

今では少ない待ち時間にスマホをいじるようなこともなくなりました。

SNS中毒や依存は必ず脱することができると思います。

今回のおすすめ書籍
スマホ脳

アンデシュ・ハンセン[著] 久山葉子 [訳]

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