ドーパミン中毒のメモ📝
私たちは皆快楽を味わうと、その残像として「渇望」を感じることになる。
アンナ・レンブケ[著]・ 恩蔵 絢子[訳]
苦痛と快楽のシーソー
「苦痛」と「快楽」は一見すると対極(真反対)にあるので関係ないように思いがちです。
しかし、実際には脳の同じ部分で処理されており、 1:1で釣り合うような性質があり、玩具の「シーソー」のような関係にあると言います。
つまり短絡的に快楽を摂取した後は、必ず同じ量(もしくはそれ以上)の苦痛が訪れることになります。
例えば短絡的な快楽を得た場合、シーソーは快楽方向に沈みます。
これが快楽を得ている状態です。
ご存知のとおりシーソーは必ず元の位置(水平)に戻りますが、この戻る過程で水平を超えて苦痛方向に沈みます。
急激で激しい快楽・長期的な快楽を得た場合には、苦痛ゾーンにも急激でキツく長期的に滞在します。
いかがでしょうか、アンナ・レンブケさんのシーソーの例えは非常にわかりやすいと思います。
苦痛ゾーンで起こること
シーソーが水平に戻る際に、快楽に触れていた反動で水平を超えて苦痛ゾーンになります。
苦痛ゾーンで起こることについて、本書では「渇望」と表現されています。
ポテトチップスを一枚食べたら、 2枚目を食べたくなる。
ゲームが1試合終わったらすぐに次の試合をしたくなる。
この「渇望」を我慢することは容易ではなく、非常に大きなストレスとなります。
一度シーソーが水平になると、そのままシーソーは動き続けて快楽と同じ分だけ苦痛の側へ偏る。
1970年代に社会科学者リチャード・ソロモンとジョン・コルビットが、この快楽と苦痛の相関関係を「相反過程理論」と名付けた。
「快楽や感情において、中立性から長い間、または繰り返し逸脱することはコストがかかる」ドーパミン中毒 本書P77
限界効用逓減の法則
ドーパミン中毒の厄介なところですが、脳は同じ行為で得られる快感はどんどん減ります。
これを限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則と言います。
ビールは最初の1杯目が至高に美味しく、2杯目からは1杯目ほどの満足感は得られないというやつです。
例えばギャンブルでも一番最初は100円をベットしてその結果に熱くなり楽しめると思います。
しかし、2回目からは100円では同じスリルを味わえなくなり、1,000円をかけてみたくなります。
次は1万、2万とやがて自分が捻出できる資金の限界に達し、 最後には手を出してはいけないお金に手を出します。
お酒や、薬物なども同じ仕組みでどんどん摂取量が増えていきます。
似たような快楽刺激に繰り返し晒されていると、快楽側へのシーソーの最初の傾きが弱く、短くなる一方で、事後反応の苦痛側への偏りは強く、長くなってしまうのだ。
これを「神経適応」という。ドーパミン中毒 本書P78
この依存症メカニズムは以下のアニメ動画が非常にわかりやすいです。
ギャンブル依存症はこの動画も非常に参考になります。
短絡的なドーパミンとは何か
私は短絡的なドーパミンとは、いつでも好きなときに摂取できる安っぽい快楽だと考えています。
少し考えると以下のようなものがあります。
- ギャンブル
- 酒
- 薬物
- スマホ(SNS)
ギャンブル・酒・薬物は身を滅ぼす典型的な依存症でありイメージは容易かと思います。
しかし 意外かと思いますが、スマホからはめちゃくちゃドーパミンが出ており、中毒患者を量産しています。
皆様も見慣れたこの光景です。
まさに病気。
特にSNSが危険であり、私はスマホ依存を解消するためにスマホからすべてのSNSを消すなどの対策をしてきました。
筋トレでシーソーをハックしよう!
ここからは持論を展開しようかと思います。
短絡的なドーパミンを得ると、シーソーは一旦快楽側に傾き、その後必ず同じ量の苦痛を味わうという話をしました。
では、 最初から苦痛を得たらどうでしょうか。
!?
意図的に自分の体に苦痛を与えることによって、その反動の快楽を呼び起こそうという寸法です。
苦痛を得る方法はいくつかあると思います。 庭で犬のように遊び泥まみれになるとか、自分で自分をボコボコ(?)にするとか・・
しかし、そんなことをせずにわかりやすく苦痛を与える方法がります。
「筋トレ」です。
ジムに行って筋トレをして自分を痛めつけることで、長期的かつ持続的な快楽を得ることができる!
研究によれば、運動後のエンドルフィンの増加は『ランナーズハイ』と呼ばれる幸福感をもたらすことが確認されています。
また、筋トレにはいい効果しかありません。
※ 筋トレの効果の例(個人的な感想です)
- 運動不足解消
- 健康長寿に
- ポジティブになる
- 体がかっこよくなる
- うつ病が治る
酒、薬物やギャンブルは快楽と同時に健康を損なったり、金を失ったりします。
そして、その後反動でクソみたいな気分になるので実質マイナスです。
しかし、筋トレなら、 得られるものしかないのに加えて、 快楽も得られる(?)ということで最強のドーパミン摂取になります。
また前述した同じ行動で得られる快楽が減ってしまう「限界効用逓減の法則」についてもバッチリ対策済みです。
そう30kgの負荷に満足できなくなったら、40kgに変えればいいのです。 (持ち上げれないならまだその領域に達していない)
というわけで、ドーパミン中毒と筋トレの話でした。
アンナ・レンブケ[著]・ 恩蔵 絢子[訳]