2022年は暗号資産の冬とも言われており、1年を通してずっと下げ基調となりました。
なぜビットコインのパフォーマンスがこれほど悪かったのか、2022年の出来事を振り返ります。
今年はビットコインにとって悪い出来事がいっぱいなのだ💦
ビットコインの年間出来事
日付 | イベント | 価格 |
12月31日 | 年末 | 2,199,427 |
12月28日 | Kraken 日本撤退を発表 | 2,209,537 |
12月14日 | FOMC 利上げ 4.0 → 4.5 (+0.50%) 予想:4.5% | 2,415,517 |
11月29日 | レンディング大手Blockfi破産 | 2,281,231 |
11月9日 | バイナンス,FTX買収を撤回 | 2,307,398 |
11月8日 | バイナンス,FTX買収で合意 | 2,718,595 |
11月6日 | バイナンスCEOがFTT売却を発表 | 3,105,344 |
9月15日 | ETHで大型アップデート「Marge」を実装 PoW から PoS へ | 2,815,756 |
7月1日 | 大手暗号通貨ファンド3ACが破産 | 2,616,510 |
5月10日 | Tera崩壊 USTとドルでディペックが発生し, 4兆円が一夜で吹き飛ぶ | 4,044,673 |
3月23日 | 人気NFTゲーム アクシー・インフィニティがハッキング被害 6億2000万ドル流出 | 5,204,631 |
3月16日 | FOMC 利上げ 0.25 → 0.5 (+0.25%) 予想:0.5% 以降全てのFomcで利上げが続く | 4,866,998 |
2月24日 | ロシアがウクライナへ軍事侵攻を開始 | 4,404,340 |
1月26日 | FOMC 金利変化なし | 4,196,535 |
1月1日 | 年初 | 5,486,988 |
2022年の主要な出来事まとめ (ビットコイン)
2月24日 ロシアによるウクライナ軍事侵攻開始
終値:440万円
2月24日のボラリティは 約13% になっており、普段よりも大きく価格が変動しています。
ビットコインは世界情勢が不安定になったときに避難先として機能すると考えられていましたが、世界情勢への先行不安が払拭できず価格上昇へは繋がりませんでした。
3月16日 米国利上げ 0.25% → 0.5% へ
終値:486万円
インフレの懸念から米国で利上げが行われました。
この利上げを皮切りに年内は利上げラッシュが続くことになります。
3月23日 人気NFTゲーム アクシーインフィティー ハッキング
終値:520万円
人気NFTゲーム アクシー・インフィニティがハッキング被害を受け、 6億2000万ドル相当の暗号資産が流出しました。
これに伴いゲーム内トークンの Axsが暴落することになりました。
5月10日 Tera 崩壊
終値:404万円
暗号資産のTeraが崩壊し、約5兆円が一夜で消し飛びました。
この発端はステーブルコインである USTがドルとのペッグが断続的に外れてしまい,
USTをLunaに交換し, Lunaを売却する動きが加速しました。
簡単に言うと、0.8ドルで買って1ドルで売るということがノーリスクで可能になっていたのです。
通常,この状態になると USTに買いが集中し,ドルに近づくのですが,USTの買いより既に所有していたUSTをLunaに交換する動きが加速し,
Luna, UST 共に大暴落する形となりました。
この状況は攻撃者が意図的に仕掛けたとも言われています。
価格を維持するアルゴリズムが逆に落とし穴になったのだ
7月1日 大手暗号資産ファンド 3AC 破産
終値:261万円
暗号資産の貸付を行い大手ファンド スリーアローズキャピタル(通称:3AC)が破産しました。
同社は Tera にも出資しており、業績悪化が重なった結果、破産にいたりました。
9月15日 ETH アップデート「Merge」実装
終値:281万円
アルトコイン代表のイーサリアムが大型アップデート Merge に成功し、承認アルゴリズムをPoSに変更したことで
消費電力を99%以上削減することに成功しました。
期待感があり注目されていましたが、アップデートが成功しても、大きな値上がりに繋がることはありませんでした。
11月2日〜 FTXの騒動
終値:230万円
ビットコインネタのMVPはズバリこのFTX騒動になります。
超大手企業の数日で起こった崩壊劇はテレビニュースでも大々的に報じられ、全世界に衝撃が走りました。
暗号資産メディアによってFTXの財務状況への懸念が公表されてから、取付騒ぎのようにFTXから出金が相次ぎ、騒動からわずか10日で破産することになりました。
FTXを巡る出来事はまさに「事実は小説よりも奇なり」なのだ
11月29日 レンディング大手 Blockfi 倒産
終値:228万円
レンディングとは、暗号資産を投資家から借りて、金利を払ってでも暗号資産を借りたい顧客に貸付を行う業者のことです。
同社はFTX関係会社に出資、さらにFTXに預け資産がありましたが、FTX破産に伴い資産を動かせない状況になっていました。
暗号資産が下落するなか、レンディング業者に預け入れるユーザーは減少をたどり、債務不履行に陥りました。
FTXに連鎖して破産した形となります。
一般的な銀行の金利が0.1%未満に対して、暗号資産レンディングの金利は10%以上ということもあり、バブルの様相を呈していました。
驚くほど高い金利を提供するレンディング会社は非常にグレーな資金管理をしていたんだ
12月28日 Kraken Japan 撤退
終値:220万円
海外の大手取引所 Kraken の傘下、Kraken Japan が日本市場から撤退を発表しました。
なぜ暗号資産サービスの破産が相次いだ?
今年は非常に多くの暗号資産サービスが破産・倒産することになりました。
原因について考察してみましょう。
相互に出資
暗号資産サービスは相互に出資や融資を行っていました。
片方が破産すると投資した分が回収できなり連鎖倒産に繋がります。
2021年度のビットコインバブルで暗号資産業者は莫大な利益を上げて、事業を一気に拡大しました。
このときに行った無謀な融資がツケとなりました。
暗号資産の下落と投資人口の減少
年間を通してビットコインが下落したことで,暗号資産口座から出金して法定通貨に換金する動きが強まりました。
これにより暗号資産業者の保有資産の価値も下がることから,暗号資産を担保にした融資を受けづらくなり,資金繰りが悪化しました。
財務状況がブラックボックス
今回倒産した暗号資産サービスに共通するのは,1000億~1兆円 という規模の資産を運用していながら, バランスシートが公開されておらず,その会社の財務状況が不透明でした。
多くの会社はリスクの高い資産を大量に保有し,外部には見せられない融資や資産運用を行っていました。
FTXは外部メディアに公開されたバランスシートが原因で倒産にまで陥っています。
暗号資産はオワコンか?
価格の低下とサービスの破産が目立った2022年ですが, 暗号資産の展望が暗いかと言えば全くそんなことはありません。
今回の破産で今なお資金が回収できていない投資家もたくさんいますが, これらの教訓は暗号資産にとって良い影響を与えます。
今後暗号資産サービスは運営には,高い透明性と法令の遵守が求められます。
米国でも規制が進み,財務的健全性の高い事業者がサービスを提供していくことになります。
グレーゾーンなサービスは淘汰され,より健全なサービスを提供する暗号資産業者が増えれば
より多くの人がビットコインを信用して取引するようになるでしょう!
適正に規制することは僕たちを守ることに繋がるんだ!