今回はビットコインは世界にどこまで浸透するのかを考えていこうと思います。
前回の記事で、ビットコインが最も優れた貨幣であることについて説明しました。
今回は、通貨の基本原則を踏まえ、将来的にビットコインが現実世界でどのような役割を果たすかを考察します。
- 価値尺度
物やサービスの値段を測る基準となる。 - 価値の保存
時間が経ってもお金としての価値を保つ。 - 交換手段
物やサービスとお金を交換する道具となる。
目次
価値尺度としてのビットコイン
株式、債券などのマーケットにはBTC建が登場
共通の価値尺度として、最も有効に機能するのはマーケットの価格表示です。
例えば以下のようなグローバルな株式の価格は基本的にその国の通貨になっています。
現在の株式市場
🇯🇵 任天堂・・4500円
🇺🇸 アップル・・150ドル
🇭🇰 百度(Baidu)・・90香港ドル
例えばアメリカの株式を購入するならドル、 日本の株式なら円、 中国の株式なら元が必要になりますが、為替レートの変動もあり価値がわかりにくいです。
そこで共通の価値尺度としてBTC建の価格表示です。
BTC建の株式市場
🇯🇵 任天堂・・0.0007 BTC
🇺🇸 アップル・・0.0024 BTC
🇭🇰 百度(Baidu)・・0.0008 BTC
いかかでしょうか? 非常に価格がわかりやすいのに加えて、手持ちのビットコインを他の通貨に換金することなく直接購入可能です。
これにより、世界中の投資家があらゆる国の株式・債券へのアクセスが容易になり、今まで以上に投資の活性化に期待できる。
また、海外投資における大きなリスクである、為替レートのリスクを原則無視することができるようになります。
政府や中央銀行の行動によって為替レートは大きく変わるが、対ビットコインのレートを人為的に制御することは不可能であるためです。
BTC建国債の登場
多くの新興国や途上国の通貨は流動性に問題があり、 国債発行には高い金利が要求されることがほとんどです。
健全な財政運営を行なっている国は、ビットコイン建国債を発行するようになります。
ビットコイン建国債・・貸し手はビットコインを貸し出し、 借り手はビットコインに利息をつけて返還する。
スマートコントラクトを活用し、担保率を割った場合は自動的に担保のビットコインを売却することで、債券購入者にとってリスクがほぼ0債券となります。
貸し手のリスクがほぼ0ということは、金利も限りなく低くなることを意味しており、 信用度の高い国は非常に低い金利で資金の調達が可能になります。
国際貿易でのビットコイン決済の普及
国際貿易で使用される通貨は 米ドルが約5割、 ユーロが約2割となっています。
米ドルは紛れもなく世界最強の通貨ですが、その信用性は大きな疑問があり、 今年7月には米国の政府債務は35兆ドル(日本円で5,250兆円)に達しています。
米国は経済を止めないために、今後もドル紙幣を増やし続ける必要があり、 ドルの価値は減り続けます。
持っていってもどんどん価値がお金を欲しがる人なんているのでしょうか?
今は米ドルが世界最強であるため、受け入れられていますが 驚くほど早く通貨スライド(米ドルからビットコインへの移行)が起こると予想します。
価値の保存
各国で外貨準備として採用
すでに米国ではトランプ元大統領は準備資産への採用を明言している。
トランプ氏の発言でビットコインが乱高下──アメリカの戦略資産として確立する計画
ビットコインを多く保有している国が相対的に国力が高く、信用が高いと判断される。
ビットコインと自国通貨のレートを安全に保つためにも、外貨準備としてビットコインを保有する必要が出てくる。(対ビットコインの自国通貨安を抑えるために)
前章でも紹介しましたが、 十分なビットコイン外貨を持てない国は、ビットコイン国債を発行して投資家からビットコインを借ります。
ビットコイン建国債の構想では、 以下の2つの大きなメリットがあり 実現する可能性が非常に高いと考えています。
- ビットコイン担保ローン
財政が健全で、ビットコインを保有している国はビットコインを担保にビットコインを借り入れることができる。 - ビットコインを調達するためのビットコイン建国債
自国に担保にできるビットコインが不足している場合には、ビットコイン建国債でビットコインを調達する
主に途上国向けであり、今のドル建国債の役割に代替します。
金に代替する価値の保存手段
インフレの歴史を見ると、法定通貨での貯金は極めて非合理的である。
日本円やドルは貯めるものではなく、使うもの。
すべての通貨は価値が下がるか、消滅する。
絶対にこんなものを積み立ててはいけません。
あらゆる通貨は100年で購買力の99%がなくなります。
これまで自国通貨以外で価値の保存となる投資先は「金 Gold」しかなかったが、金は一般人にとってあまりにも身近ではありません。
自分で金を保管するには大きなリスクが伴う上に、 専門会社に保存を委託すれば高い手数料がかかります。
ビットコインは手軽に支払いに使えることから極めて身近でありながら、簡単かつコストをかけずに保管することができる。
交換手段(支払い)のビットコイン
世界中でビットコイン決済が可能になる。
自国通貨に信用があり、電子決済が普及している先進国ではビットコイン決済の導入は新興国に比べて遅くなると予測されるが、 主に外国観光客のために導入せざる得なくなる。
ビットコイン決済は、旅行者の支払い・価値判断を容易にし、 旅行者はビットコイン決済が充実している国への渡航を好むようになる。
国家はこのインセンティブを無視することはできず、積極的にビットコイン決済を導入することになるでしょう。
ビットコイン決済は驚くほど簡単です。
Starbucks accepting #Bitcoin as payment in El Salvador 🇸🇻
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) August 30, 2024
えー あの国はビットコイン決済禁止だからいかなーい
特に観光収益がGDPを大きく占める途上国を中心に普及が加速すると思われます。