何枚のビットコインを保有するべきか
ビットコインがインフレ対策として有効な資産であることは、これまでにも述べてきました。しかし、具体的に何枚のビットコインを保有すべきでしょうか?
現在、100万ドル以上の資産を保有する「富裕層」に相当するビットコインの保有量を計算すると、0.14 BTC 枚になります。
0.14 BTCの所有が将来の富裕層との境界線になります。
以下に、計算方法とその根拠を詳しく解説します。
ビットコインは何円ではなく、何枚で考えるべき
ビットコインは通貨としての側面を持つため、「日本円で何円投資した」などと言われることがありますが、ビットコインは「枚」で評価すべきです。
理由としては、ビットコインの総数が2,100万枚と決まっており、今後増えることも減ることもないからです。
一方、日本円やドルのような法定通貨は中央銀行の発行により無限に増えていきます。
今日の100万円と20年後の100万円は明確に価値が異なるでしょう。
しかし、ビットコインは無限に増えることはないため、その分母は常に一定の2,100万枚となります。
上の図は法定通貨とビットコインを示したものです。分母が一定のビットコインと無限に増える法定通貨では、どのような結果をもたらすかは言うまでもありません。
世界の富の偏り
世界の富には大きな偏りがあります。これは2023年の資産データをもとにした資料です。
global-wealth-report によると、 資産1万ドル以下の一般層は全体の39.5%を占めていますが、 彼らが保有する合計資産は全体のわずか0.5%にすぎません。
一方、100万ドル以上の資産を保有する富裕層は全人口のわずか1.5%ですが、地球上の富の47.5%を保有しています。
ごくわずかな富裕層が莫大な資産を所有する一方で、大多数を占める一般層の資産は、合計しても富裕層には遠く及びません。
この傾向は、ビットコインの分布にも当てはまると考えられます。
富裕層は何枚のビットコインを保有するのか
ビットコインの総数は2,100万枚ですが、誤送金などにより全体の20%程度が永久に失われており、二度と流通しないと考えられています。
今回は流通するビットコインの総数を2,100万枚の80%である1,680万枚とします。
実際に資産クラスごとに理論的に何枚のビットコインを保有できるのかをまとめたものが以下の資料です。
富裕層がビットコインにおいても全体の47.5%を獲得すると仮定すると、富裕層に割り当てられたビットコインは798万枚となります。
現在、富裕層の人口は約5,800万人であるため、798万枚を富裕層人口で割ると1人あたり0.13765枚のビットコインとなります。
今回の計算では、0.14BTCの保有が富裕層との明確な境界になることを示しました。
まとめ
必ずしも理論通りになるわけではありませんが、各資産クラスがどの程度のビットコインを保有するかを大まかに予測するのに役立ちます。
2,100万枚と聞くと、かなり多いように思えますが、世界中の人々が資産として欲しがるようになった場合、一人あたりの割り当ては圧倒的に少なくなることがわかります。
0.14BTCは、7月時点の日本円で約128.8万円に相当します。
一度にまとめて購入するのは難しいかもしれませんが、数年単位で積み立てることで現実的な目標となるでしょう。
最近のビットコイン市場の動向として、ETF(上場投資信託)の承認や、大手企業によるビットコインの導入が注目されています。
さて、私が想定している最終的な買い手は企業でも投資会社でもなく、国家です。
国家が準備通貨としてビットコインを保有し、ビットコインを裏付け資産に紙幣を発行します。
これは金本位制への回帰であり、初めて本当に価値のあるものが紙幣となるのです。